The Queen- エリザベス女王のスピーチ
94歳のイギリスの女王の力強いメッセージ
みんなのパスポートにはってある、切手にもよく登場するエリザベス女王はこの方です。
英国王室は、こどもたちのために毎週月曜日に「王室のとくべつぬりえ」をウェブサイトに公開すると発表しました。
その1回目がこちら (テーマ:イギリスの特別なメダルをベースにデザインして、自分やだれかにプレゼントしましょう。勲章をあげたい人はだれかな?)
スピーチ和訳
現在の危機的な状況に直面しているみなさんに、私からお話をしたいと思います。この国では現在、国民生活に混乱が生じ、一部の人々に悲しみをもたらし、また多くの人に経済的困難をもたらすなど、日常生活に大きな影響が出ています。
私はNHS(国民保健サービス)の最前線にいる人々やケアワーカー、そして献身的に日々の仕事を続けて私たちを支えてくださっている人たちに感謝したいと思います。あなた方の仕事が高く評価され、その懸命な努力が刻一刻と私たちを普通の生活に近付けていることを、国全体が保証してくれていると確信しています。
また、家にとどまって弱者を守り、多くの家族を助け、愛する誰かを失ってしまった人たちが感じている痛みを和らげてくれている方々にも感謝したいと思います。私たちは共にこの病気と闘っています。もし私たちが団結して毅然とした態度を貫けば、この危機を克服できるでしょう。ですから、みなさんに安心していただきたいのです。
そしていつか、この困難をいかにして乗り越えたのかということを誇りに思っていただきたいと思います。私たちの後の世代の人々は、この世代のイギリス人は他のどの世代よりも強かったと語るでしょう。自制心、静かでユーモアに富んだ精神、仲間意識といったものは、今でもこの国の特徴です。私たちが何者であるかという誇りは、過去の一部ではなく、現在と未来を定義するものなのです。
イギリスが団結して、自国のケアと暮らしに必要不可欠な労働者たちに拍手を贈った瞬間は、我が国の精神の表れとして記憶されるでしょう。そしてそのシンボルは、子供たちが描いた虹です。
私たちはイギリス連邦中、そして世界中で人々が一緒になって他の人たちを助けているという心温まる話を見てきました。それは、食料品の小包や薬を配達したり、近所の人たちの様子を確認したり、救助活動をするために企業活動を変化させたりすることです。
自主隔離は時として困難なこともありますが、あらゆる信仰の多くの人々、そして誰もが、自主隔離が祈りや瞑想の速度をゆったりとさせ、間をおいてよく考える機会を与えてくれることに気付きつつあります。
1940年に、妹に手伝ってもらって初めて作った映像を思い出します。当時子供だった私たちはここウィンザー城から、自分たちの安全のために疎開してきた子供たちに向けて話をしました。今日もまた、多くの人が愛する人との切ない別れを感じるでしょう。しかし今、私たちは心の底からそれが正しいことだということを知っているのです。
私たちはこれまでにも困難に直面してきましたが、今回は違います。今回の私たちは科学の偉大な進歩と本能的な癒しへの思いやりを武器に、世界中の全ての国が共通の取り組みに挑んでいるのです。私たちは成功するでしょうし、その成功は私たち全員のものになるでしょう。
我慢するべきことはまだあるかもしれませんが、より良い日が戻ってきます。私たちは再び友達に会うことができ、再び家族と一緒に過ごすことができるでしょう。私もいつかまたみなさんにお目にかかると思います。
でも今のところは、感謝の意と心からのお祈りをお伝えしたいと思います。